舞台『2LDK』 in 青山円形劇場(5/5)

15時の回観てきました。以下感想とか(念のためネタばれ注意)
・同じ芸能事務所に所属し2LDKの部屋に同居する2人のセンパイ後輩女優がガチバトルする、というこの物語、マコラッチョブログやお相手の肘井美佳さんのブログの内容からしても相当にハードなんだろうなと思ってましたが、実際に観たら予想以上でウワワワッワとのけぞるような迫力の舞台で。トマトジュースひっかけるわはワサビ塗りたくるわ棒切れ持って追い回すわ水(設定上では熱湯)ぶっかけるわ、更につかみ合い殴りあい膝蹴り家具へ向けての投げ飛ばしにトロフィーによるぶん殴りetc.…すっげぇ。
・殴ったり蹴ったりの場面ではうまく効果音当てて実際に当てては無いものの、膝蹴りとか床へ投げたりとか冷蔵庫にぶち当たったりとかいうのは多少勢いころしてもやっぱり痛そうだし、それにジャムやら何やらの液体物とか目にしみそうだし。一歩間違えたら危険というのを実感しました。
・今回運がいいことに座席が最前列だったので間近にてお2人のお芝居を堪能出来たのも大きいですが、何より稽古を重ね、工夫しあい、お互いの呼吸を合わせて作り上げられたステージからは目を離せなくて、バトルシーンも勿論だけれどそこに至るにあたっての2人の女優が背負っている過去や葛藤、そしてこれからを垣間見せるようなラストという物語全体に大きく惹かれました。やー良かったです。観劇したのは小川さん出演回のこの日だけだったけど、これは他の日の異なる組み合わせによる演技も観てみたくなるような印象深い舞台でした。
・2人にとって運命の電話を受ける場面を目の前で観れたのもインパクト大。
・松本希美という人物を演じる時の小川さんは、高い能力や素質を持っているのに挫折を何度も味わってきており、几帳面で神経質で一旦タガが外れるとどういう行動に出るかわからないというその役柄の存在そのもので、それでいて上演前の挨拶では肘井さんと共に「中央道15キロ渋滞らしいですね〜」「皆さん関係ないって表情してますね」「(非常口の案内で)万が一の際には“オ・ア・シ・ス”で」「私の学校では“オ・カ・シ・モ”でしたー」みたいな感じのお笑い系コンビネーションをみせてたりして、つくづくすげーわーと思わされた。先輩女優を睨み付ける時の表情とか、クライマックスで受話器を持った相手を後ろから狙い定めるあたりとか誇張でなく鳥肌が立つような迫力だったです。
・あそこで「キスして」って、すごいなーちょっと。
・「どんだけぇ〜?!」「(古いよ)」
・肘井さん演じる橘ラナという女性は最初に受ける印象よりも確かに希美がしばしば言うとおり“甘い”というか。ある意味後輩の希美よりも弱さを内包しているようにも思えるラナの造形も見事で、肘井さんの演技もまた他の作品でも観てみたくなりました。
・思わぬところでマコラッチョ水着ショット!
・それにしても暗転してる間にパパッと主な散乱物は片付けてしまう舞台スタッフさんの手際のよさ見事だ。
・携帯から聞こえる好きだった男性からの声に聞き入ってる希美に後ろから「フルーチェ」「フルーチェ」言いながら手で投げつけてるラナというシーンが恐ろしいながら妙に面白くもあったりして笑いが起こってたりして。そういう場面が幾つかあって女の闘いを真正面から描きながらも歯切れのいいテンポの良さとかが生み出されてた感じがしました。
・とにかく見応えある舞台でした。こういう力ある作品の一角に小川さんが関わってそのストーリーを生み出す一員となっていること、2人芝居という新たな形態に挑戦していることがとても感慨深くて、これからの彼女の演技面での活動も更に進化していくんだろうなと思わせられる時間でした。本当、観ることが出来てよかったです。
追記
入場して着席しようとした所に黒いビニールシートと共に置かれていた注意書き。
遊園地のウォーター系アトラクション並みだ…。