大人の麦茶第二十杯目公演『シュガースポット』 in 新宿 紀伊國屋ホール(11/25)

18時半の回観てきました。以下感想とか(毎度ヘロヘロ記述申し訳&ネタばれ注意)
・マコラッチョゲスト出演舞台を観終えた足で真っ直ぐ、ではなくちょいと職場寄ってから新宿の会場へ。事前に書いてきたDVD申込み用紙を提出して席に着く。今回はさすが日曜そしてラスト間近ということで少々後ろの席だけど、ステージ全体が見渡しやすいという点では中々。あと前の席が終演まで空いたままだったので見晴らしがよかったというのもラッキーと言えばラッキー。ただ、空いた席の分だけ本来観れた筈の方がこの作品に触れることなく終わったのかなと考えると残念でもある。それ程に心に残る物語だった。
・初日に続いて2度目の鑑賞となったこの公演、幸運にも複数回観れることになった作品では何れでも思うことだけど、展開をつかんでいることで新たな面や前回も目にしたけれどより心に響くようになる箇所が幾つもあって。また各所にまぶされた伏線もあのちょっとした台詞がここに繋がるのか、とかあの微笑の後ろにはあんな事実が控えていたとは、と明かされていくごとそれぞれ改めて納得や驚きによる心地よさを覚える。
・また、こちらの作品について、まー自分は大人の麦茶さんについてゲキハロの『寝る子は℃-ute』と『サンク ユー ベリー ベリー』以降、あとハロプロメンバー出演の本公演は『タイガーブリージング』以降からしか観劇経験ない身ではあるのですが、これまで上記の諸作で味わったちょっとした「おっ」と思う部分やエピソード、また、まさにキーとなる目が離せないシーン等が散りばめられているような気持ちも覚えました。具体的に作品名と箇所を言うなら『1974』のあの声援の感じとか『サンク ユー〜』での歌とか『タイガーブリージング』での石川姐さん演じる鮎美とヨコハマ(斉藤佑介さん)のあのシーンとか『BB』で必死に呼びかけるあの部分とか歌が各所で心に響く用いられ方されてるところとか『死守セヨ』での離れ離れになって、それでも…というあの2人の関係がある意味昇華されたような部分とか、それこそ熊井さんも的確に触れてた『三億円少女』を彷彿とさせる細やかな各箇所やキャラクターの在り方とか…そういう作品において、同じハロー!プロジェクト・キッズ出身で今は異なるグループに所属しながらもずっと親友同士であるという2人が重要な役柄を演じる。そりゃもう、観応えない訳ないです。
・天月さんの歌声、テーマとも言えるあの曲、素敵でした。
・その天月さんとヨージさんとのやり取りが愉快で。
・ヨージさん演じるキャラクターのディープ?な恋模様の今後が知りたくもあるようなないような…。
・和泉宗兵さん、そこここでカッコよさを閃かせる。あと佳林ちゃんさんとをさっと…するシーン、しびれました。
池田稔さん・ヒョギさん・並木秀介さんによる一連のあのエピソードもああやって関連づけられてくるってのがなるほどなーと思いつつ、単純に軽妙さが楽しかったりもしつつ。あ、そうそう並木さん確かに本田広太郎でした。
・中江翼さん演じるあの役、いつか想いが報われるといいすね。あ、でもそうすると天月さん演じるあのキャラはどうなるかな。
・主演の宮原将護さん、難しいだろう役柄をナチュラルに演じてらして、あの役をあれ程リアリティもって演じられるって何事なんだ。千奈美ちゃんに対してのドキドキっぷり、自らの行動が起こしたことへの後悔や残した家族への想い、そして舞美ちゃんとの会話。口調や仕草からまるで実際にそういう存在である様に感じさせられて、もうすごかったっす。
田辺奈菜美ちゃん、着実な成長を感じさせつつ2年前演じていた“伊東奈菜美”としてのキャラクターもふと思い起こさせられる。和やかで楽しい気持ちにさせてくれる存在でした。
宮本佳林ちゃん、幾つもの作品で姿を観る度ごとに必ず目を惹かれるのに次の物語ではまた必ず進化してるんだからつくづくもうすごいとしか言いようがない。今回の観劇は事前にその背景を知っていたから、“修行”の年数や主人公から語られる当時のエピソードの中にさり気なく入れられていたあることが終盤で明かされる事実に繋がる様子にハッとさせられ、またあの送り出す場面で口にしたこと、その時の表情や笑みに一層心つかまれました。
村上東奈さん、この方もハロプロ関連でも外部の舞台でも様々なキャラクターを演じていて、でもその根底に感じる確固たる強さやしなやかな佇まいがいいなと度ごと思う方で、こちらの作品で演じていた、激しく情念深く、でも主人公が語ったようにどこか(自身のためにも)信じたい、叶えたいと思うような行動で物語が動く鍵の一つとなることを主人公に教えるという切なさも込められた役柄もとてもハマっていて胸にきました。
・そして2人のヒロインを演じた千奈美ちゃん舞美ちゃん。作・演出の塩田泰造さんが徳永さんについて、矢島さんについて書かれていた中での2人の役柄についての言葉。フライヤーの文から推察したような物語、活発な少女とその友人の大人しい少女、というイメージもうんうん、成る程なーと思ってたので、舞台がはじまって最初、うわ、こう来たんだ、すごい!やられた!と思って、その後で上記記事を読んで、またすごい、と唸らされて。
・だってさー、千奈美ちゃんにああいう役柄を当てること自体中々発想できない、それこそこれまで舞台演出する中でその在り様に触れ、心根を理解し、彼女の持つ輝きを活かしたいと思わないと出てこない。そして役柄設定するのみならず、そのキャラクターとしての言葉や行動の中から普段とは違う側面を感じさせつつ根底で持つ優しさや思いやりや気遣いまでを表現してやっぱりこの子は千奈美ちゃんそのものでもあるんだよな、と思わせたりとかできない。
舞美ちゃんについても、激しく、直情で、熱血で、大切な存在を想うが故の嫉妬にも苦しむ、でも人のために行動する気持ち、自分のことはごまかさない、人のせいにしない真っ直ぐな少女というキャラクターを宛書きし、役上の姿と実際の矢島さんとしての在り様が矛盾無くリンクしていると感じられる。つくづくすごいとしか言いようがないです。
・そして、そういう心が込められ築かれた物語において周囲にすごい役者さんが揃う中で、明るく爽やかに語り、勢いよく走り、時に狂おしく叫び、心からの笑顔を輝かせ大切な相手に涙する、そういう2人の姿見せられてご覧よ。もう、ねぇ!
ハロプロ関係メンバーが演じる姿を観ることそのもののみでも楽しかったり色々感情を揺さぶられたりして心動かされるのに、それが更にいいなと思うメンバーの特質や個性を踏まえて咀嚼して新たなキャラクターを創出しつつもその根底のステキな部分を活かした役柄を書き上げてくれる方の手で演出を受け、登場する人物それぞれに背景を感じさせ、愛着をも覚えさせるような物語で活躍していることがたまらなく嬉しい。そういう気持ちを新たにさせられた作品でした。この作品に触れられた2回の機会はとても貴重なものでした。観れて本当によかった。矢島さんや徳永さんの素敵な部分を、あの関係性を新たな形で描いてくれたこちらの物語、忘れません。ありがとうございました。
追記:アフタートークショーにて。
・司会の並木さんに作品について問われ、満開の笑顔で「いや……いいですね」と答える矢島さん。
・ストレス解消の場面は「(夜子とシンクロする一連の場面で)あそこで発散ですね」という矢島さん。
・3回公演だったけれど、という問いに「あっという間」「楽しかったです」。
・そんな若人に対し、うっかり「おじさんおばさんはそこ(舞台袖)でぜーぜー言ってる」と口走りおばさんて要するに!と一斉に突っ込み受ける並木さん。
・矢島さん「肥後ちゃんは楽屋で騒ぎすぎなんですよ」
・矢島さん「(青葉について)スカッとしますね!」
・天月さんが披露した主人公のモノマネについて、話題となってた宮原将護さんがひょこっと顔を出して並木さんの振りでイキなアドリブを述べてささっと去って行った様子が何とも謙虚でシャイな好青年っぷりでナイス!
・途中から登場した塩田泰造さん。あるシーンにおいて身体的接触は一切ありません!と。こういう所でアイドルとしての立場での出演てタイヘンになってしまうよな…と少し引き戻された。ある程度は仕方ないことではあるのかもだけど。
大人の麦茶出演について2007年の『寝る子は℃-ute』以来、と口にしたところ塩田さんが急いで「いや、キャッツアイも…」と言ったのに対し慌ててフォローしようとして「いや、ちゃんとした感じのは」と口走りますます焦る矢島さん。や、まあ、メインはAでしたしね。
・とにかく、「出れてよかったです!」と力強く述べる矢島さん。ショーの間の満開の笑顔やリラックスした様子、共演者へのいたずらっぽい表情から、この作品の出演を、役柄を演じることへの喜びが伝わってきて、こちらも嬉しくなったトークでした。
追記2:ミッツィーさんこちらの観劇にも来てたんだ!!℃-uteコンといいさすが。そして感想がまたいいんだ。いつかミッツィーさんの再びの舞台出演も実現して欲しいな。