劇団ゲキハロ特別公演 ℃-ute主演『さくらの花束』 in 池袋シアターグリーン(3/16)

BIG TREE THEATERの2公演目とBOX in BOXの3公演目を観劇してきましたー。以下感想とか(毎度ヘロヘロ申し訳&念っのためネタばれ注意)。
・こちらの作品、1つの女子高における卒業式の1日の模様を3つ・3箇所のシチュエーションでもって描くという何ともチャレンジングな企画をやってらして、その中でA 教室『チルチルサクラ』、B 生徒会室『桜色に頬染めて』を観た事になる訳で、そんでもってAは岡井ちゃん愛理ちゃん舞ちゃんが、Bは矢島さんがそれぞれメインで登場する感じなんですけどこれは確かに全部の作品繋がってるなー。中さきちゃん演じる(すごい濃い)キャラクターも上記両パターンに登場しますし、何といっても続けて観るとこの人物がこちらの場所でこう言っていた理由というのがあのキャラのあの発言に繋がってたのかーなるほど!みたいな現象がそこここで感じ取れましてその時点で実験的でおもろいんすけど、それと同時に“卒業”から連想される様々な要素や女子同士の独特な関係性なども立体的に描かれてるのがすごいなーと。Aの所謂“仲良しグループ”が実は…”みたいな間柄とか空気感、しかしそこから一人ひとりの子が確かに輝く姿を見せるあたりとか、脚本を手がけてらっしゃる坪田文さんの以前の舞台でもどこかしらで感じたりしたな、そうだったーとなんか懐かしさも覚えたり。
・そしてBでは生徒会長と書記(そして教室では学級委員長)の対話劇がかなりの時間を占めてて、会長を演じる福永マリカさんと委員長な矢島さんのやり取りがまーいわゆるキュンキュンくるっつー感じですか。矢島さんはもちろん、福永さんの佇まいがまたとても印象的で他の作品での演じる姿も観たいと思う方でした。そうそう、こちらの舞台、ほとんどの回で終演後にミニトークショーみたいの行われてるんですが、Bパターンでは上の福永さんが仕切ってらしてそこでのトークまわしも上手ですごいなーと思いました。
・そのトークショー、Aパターンでは愛理ちゃんが演じてた役柄と一気に離れた感じでふにゃふにゃ〜な雰囲気になってたのがユカイでした。愛理ちゃんのキャラクターは愛嬌あるんだけどどこかしらシニカルさみたいのも持ってる子で、“友達なんか〜”系のセリフとか幾つかあったんですが上演後語られたとこによると、実際の自分の卒業式後とか友達みんなとわ〜(泣)みたいにやってきて、だからその日の稽古はとてもツラかった、“友達なんて”みたく言う度に「(宙を指差し友達の顔が幾つも浮かぶようすを表わしながら)こんなこと思ってないのに〜〜!!(泣)」みたく演じてたとのこと。
・関係ないけどBパターンのトークではテーマが設定されて、女の子らしさ、女子力みたいなことについてメンバーが交代ごうたいで語ってたんですが、その中で舞ちゃんが“ハンドクリームをさっと塗るのって女子っぽい”みたいな発言して例として「愛佳が手を洗う時、指輪をサッと外して洗ってからクリームを塗って戻してるのがいい」(←ウロ覚えスミマセン)という感じで語ってましておおー思わぬとこでミッツィーさんの様子が!とちょいと個人的にテンション上がったりも。やっぱマイマイさんとミッツィーさん仲良しなんだなー。
・話戻しまして、こちらの作品の中に登場こそしないけれど名前とエピソードのみ語られてる人物が数名いて、その中の中心的な2人“後藤あかり”と“井上先生”、この両者に関して周りの面々が話したり呼びかけたりするシーンがしばしばありまして。こういう技って物語の作成者と彩付ける演出者と出演者がイメージを共有している必要があると思うんですが、物語が進む中で客席側までこの2名の魅力が伝わり、人物像が浮かび上がってきて、その手腕がつくづく見事だなーと唸らされました。特に“あかり”と呼ばれている少女、『チルチルサクラ』序盤で友人達から口々にのぼる学校生活でのエピソードからいわゆる自由人?エキセントリックなタイプ?みたいな想像させておいて、そこから…という流れ、やられたっすわーもー。人のことを考え、しかし自分の意志を強く持ち、そして想う相手を大切にする一人の少女の輪郭が現れてくる、この感覚が何とも心地よくて胸に沁みて、よかった。
・他の登場人物ではAパターンでクラスメイトを演じる藤井千帆さんと菊池友里恵さんも味あってよかった。藤井さんは現役高校生とのことで但し1学年上の岡井ちゃんより大人っぽくでもトークではやっぱ元気、菊池さんは役柄上では誰とでも調子を合わせる軽めな所あるけど雰囲気を和らげる調整弁みたいな役割もあるような子を演じてらして、しかしトークショーではちょっと…いやかなり…なんかすごかったっす天然さが。でも癒し系な感じでしたよ。
ハロプロ研修生からの野村みな美さんと一岡伶奈さんも頑張ってて、その彼女達と何より中さきちゃんがメイン張ってるC 部室『さくらん少女』も観たかったなぁと上記2作品を観終えて強く思ったのでした。この高校(“仙緑寺女子高等学校”というらしい)における卒業式後の3つの場所で起きていた女子達の物語、一通りの流れとしてもう一度味わいたかった。やーでもほんと、いい時間過ごさせていただきました。観れてよかったです。