最後のサムライ in 天王洲 銀河劇場(3/8)

ソニンさん目当てで17時の回観てきました。以下感想とか(ヘロヘロ申し訳&念のためネタばれ注意)。
・導入部、テンポよくて主人公の性格や周囲からの扱われ方、その時代の様子などわかりやすい。
・物語の主役を務めるのは河合継之助。幕末の日本で先見の明をもって生まれた小藩長岡とその地の人々を守るべく、財政を立て直し西洋の武器商人と取引して入手した最先端の武器をもって防御としながら新政府軍と幕府軍を取り持とうと奔走した人物。惜しくもその試みは半ばにて潰えてしまったけれど、彼の才能と心意気を早くから見抜いた藩主、はじめは何かと反発していたけれども国と民を想う一途さと現実性のバランスをもつ継之助に徐々に協力的になってゆく同僚、一見儲け主義そのものに見えながらもそれだけでは説明できない行動を取る異国の武器商人、そして彼に縁あって惹かれた女性たちといった具合に、主人公と彼を取り巻く人々の想い、そして否応なしに襲い来る時代の流れを感じさせられた舞台でした。
・なんといっても主人公継之助を演じる市原隼人さんが魅力的で。ムチャ振りで周囲を唖然とさせながらも根底の真っ直ぐさと目的のためなら多少の逸脱は構わない柔軟性とを持ち合わせる人物として物語の中を生ききっていました。
・継之助を引き立てた藩主、牧野忠恭役の徳山秀典さんもよかったなぁ。旧来の抵抗勢力とも言える重臣達の反対にも関わらず新規な意見を取り入れる柔軟性を持ち、そして自国の民を守ることを目指す。クライマックスでの継之助と忠恭のシーン、くるものがありました。
・そして今回のお目当てのソニン、彼女は継之助を巡る女たちとして、江戸の花魁・小稲と長岡の花魁・紅小壺をそれぞれ演じていました。女好きな継之助を惚れこませる象徴とあって、さすがの色っぽさ。それとともに迫力や遊郭を去ることとなる時の孤独さと誇り高さなど存在感あってよかったです。
・辻本耕志さん演じるエドワルド・スネルという人物も徹底した商魂と共に自らの祖国の在り方と共通する方策を取ろうとする継之助に協力する姿勢を見せるなど、底知れなさを感じさせながらもどこかしら人間味も覚えるような人物像がいいなと感じました。
という具合に、全体的にほんと継之助視点でもそうでなくても抗いがたい時代というものと、それでも自らの信じるところを目指そうと生きる人の在り方を存分に感じさせられる舞台でした。観ることができてよかったです。