スウィーニー・トッド in 青山劇場(5/21)

夜公演観てきました。以下感想とか(ヘロヘロ記述申し訳&念のためネタばれ注意)
ソニンのオフィシャルサイト経由で申し込んだらば3列目っちうかなりな好位置。
・こちらの作品は初演も観たことがあって、今回は再演ってことでしたが、何だかより生々しさ、迫力っつか、言わば血生臭さが増してたように思えました。生肉製造機?から出てくる肉的なモノとか、ラヴェット夫人が捨ててる液体とか、スウィーニーにヤラれた不幸な被害者からピューと噴出す血といい、ウワワワワワという感じでヤーバいっすねホント。
・そして出演陣の迫力もより増してたような。群集たちが歌う中、スポットライトに照らされて市村正親さんが登場し、一同で演奏に合わせて歌唱する場面とか鳥肌立ったもん。
大竹しのぶさんも、ある場面ではしたたかさ、スウィーニーと一緒の時にみせるいじらしさ、それでいて幸せを守るためには自らを慕う若者を殺害しようとすることもためらわない冷酷な側面など、女優としての存在感を見せつけられました。
武田真治さん、ひたすら純粋な若者の行動はこの作品中の一種の清涼剤ともなっていて、しかしラストの行動、そして歌声で目を瞠らされる。あれだな、武田さんがとにかく元気にはっちゃける役(めちゃイケでみせてるような雰囲気みたいな)演じてる作品も見てみたいなと思ったり。
・新しくアンソニー役を務めた田代万里生さん。ジョアンナを見初めて彼女を熱烈にかきくどく情熱、若さゆえの立ち回りの甘さで大切な存在をなくしてしまう失意の姿、そして再び巡り合えるも大変な事件に巻き込まれ、という青年の役柄が似合ってました。
・そして、ソニン。初演からもう4年も経つんだよな…。かよわく運命の波に翻弄されるにとどまらない、いざ自らを縛るものから解き放たれた後は、芽生えた希望を阻止しようとするものに対して立ち向う激情を秘めた女性を演じる姿。パンフレットのインタビューでソニンが語る“外の世界を知らない純粋さだけでなく、神経過敏でエキセントリックな部分も内面に持たざるをえない。”というジョアンナ像を読んでから彼女の舞台上における存在感を思い起こすと、改めて演技者としての凄みを覚えたというかんじでした。高音におけるファルセットでの発声も安定感を増していた。
・まったくもって復讐の恐ろしさや運命の非情さに溢れる物語ではあるけれど、田代さんインタビューで触れられている“「このドラマが終わり、すべてが落ち着いてからアンソニージョアンナの本当の恋愛が始まる」”という演出宮本亜門さんの言葉で表されてるとおり、若い2人の将来があるというのがせめてもの救いだよなぁと。
斉藤暁さん、こういう所で目にするとまさに舞台での役者さんなんだなと思わせられるなー。スリーアミーゴズとか全然想起させない。
・生演奏によるミュージカルってのも豪華でいいよなー。
・カーテンコールでは市村さんと大竹さんが互いに勿体つけながら登場したり、オーケストラが演奏するワルツにのって踊ってみたり、3度目の挨拶後、ハケる間際に市村さんが大竹さんの首を掻っ切る仕草して大竹さんがグェッ!みたいな表情してみせたりなんてオチャメな場面があったりしました。
ということで、見応えある舞台でした。ミュージカルってことで歌い手ソニンも感じること出来たし、充実した時間を過ごすことが出来ました。観れてよかったです。