平成時代劇 萬屋錦之助一座「ざ☆よろきん」新春公演『吉原火消し衆』〜松風編〜 in 池袋シアターグリーン BIG TREE THEATER(1/5)

℃-ute作品やゲキハロ関連等でもお馴染みな村上東奈さん出演のこちらの作品の昼公演、行ってきましたー。以下感想とか(ヘロヘロ申し訳&一応ネタばれ注意)。
・出掛け少し遅めになってしまって開場時間ギリギリに到着したものの場内調整中とのことで少し待ってから入場。なんでもこの日が新春公演は初日だったとのこと。座席に座ると本日の瓦版だよ〜!と威勢のいい男性・女性がそれぞれ読み物を配ってらして、受け取った紙(タイトル“よろきん瓦版壱号”)には出演者による一言やお題に沿った回答やイラスト等が書かれてました。ちょうど今回版にはこちらの作品観劇にあたってのお目当ての村上さんの挨拶も掲載されてたりしてラッキーとか思いつつ待つうちに開演。
・ストーリーは、上記瓦版から一部借りますと、

今回のお話の舞台は吉原遊郭。歴史上には登場しない四十九組目の火消し衆がいた!その名も【よろず組】!!!

ということで、女性だらけの吉原でいつもは違う仕事とかしてるけど火事が起こった際に火消しとして活躍するよろず組の一同、中でも元旦の晴れ舞台における梯子乗りで土壇場でコワくなっちゃって降りてきちゃうようなヘタレな助六という男がいて、でも彼のことをさり気に見ていて気に入ったというトップ花魁の松風が情人(いろ)になれと言ってきて有頂天になる助六。組の面々が冷やかす中、吉原で医者を務めるましろは浮かない顔。一方、松風の姉女郎であり、もうすぐ年季が明けるが病を患っている井野に不穏な動きが見られ…という具合で進む物語、幕開けからクライマックス、そしてエンディングに至るまで和装のダンサーさん達の絢爛な舞や勇猛な火消しアクション、そして華やかな世界の裏における悲哀やそれでも消えない想いや繋がり等が描かれて、盛り沢山な内容でした。
助六を演じてらした木村延生さん、ドジでヘタレで、でも相対する者にとても優しく真っ直ぐな心根の持ち主という役柄がお似合いでした。
・松風役の木本夕貴さんも、強気な言動の中に隠された気弱な部分や姉女郎への敬愛が伝わる表情がよかった。
・姉女郎でキーマンの一人だった井野を演じた渡邊小百合さん、ここ一番の時の情念・悲痛さが込められた眼差しが凄くて…思わず目を伏せてしまうほどでした。本当、鬼気迫るだけでなく、こちらの胸が痛くなる位の悲哀が伝わってくるというか。
・そして村上さん。『シュガースポット』で演じた、愛した男に裏切られて闇に堕ちた悪霊役や『ドールハウス』で見せた繊細で張り詰めた空気感の少女役もとてもハマるけど、今回の役柄みたいな明るく元気で面倒見が良くておきゃんででも奥手で健気な女性というキャラも持ち味にピッタリでお似合いでした。要するに本当色んな役が出来るってことだよなぁ、すごいなやっぱし。今後とも村上さん出演の作品観て行きたいなーと改めて思いました。
ということで、江戸の町における男達女達の人間模様が語られていたこちらの作品、新年から粋な世界を味わわせて頂きました。観れてよかったです。