projectDREAMER 2010 公演『GPS』 in 下北沢「劇」小劇場(2/26)

『猫目倶楽部』や三好さんとのライブでも印象深い椎名法子さんが出演しているということで観てきました。以下感想とか(念のためネタばれ注意)

GPS衛星。それは、誰かの居場所を教えるために「自分はここにいるぞ」と叫び続けることを要求された衛星。そして、その星は七年半で捨てられる。そのイメージを下敷きに語られる物語。
project DREAMER−【STORY】

・ストーリー内で場面を切り替えて少しずつおとされるエピソードが徐々に繋がり、登場人物達の感情に気持ちが動かされていく。タイトルと、冒頭で物語の象徴でもあるように示される存在の繋がりにやっとそうなのかと思い当たる。偶然から再会した幼馴染3人が、自分達の境遇からかつての思い出の場所へ向かおうとするところからその世界の流れ方は勢いを増して観ている側をぐんぐん引き込む力がハンパない。“おじさん”の言葉、探していたあの存在、舞台中に広がり響く登場人物達の叫び、笑う姿。半ばからクライマックス、ラストに至る過程でもうやられたなぁと。
汐崎アイルさんがあの存在として語る場面での表情、目が離せなかった。笑顔なのに、どうしてあんなに切ない気持ちを感じさせることが出来るんだろう。
椎名法子さん、一時は現実のままならなさに足止めされ気持ちを屈されてしまっても、仲間とあってまた歩き出そうという女性の姿が格好よかった。
・あとあのヒーローショーのシーンにおける振り切った臨時MCお姉さんな姿も水を得た魚状態でグーでした。
他、内容とやや外れること。
・下北沢って何度来ても渋谷とは違う意味で慣れない〜そもそも駅の中ですら迷いかけるのもどうかとは思うけど、そんな状態で外に出たらちゃんと南口出たのにその先の道筋がつかめなくてどうしようと思った。その後ガード下の地図に現在地及び目的地が表示されてたおかげでなんとかたどり着けました。
・座席配付の資料の中にふくさきさんがマノンさんと共演という個人的に要注目な組み合わせの明治座8月公演『つばき、時跳び』のチラシが挟まれてておおーと思う。この舞台も期待大だよな。
・あのーほんの一週間前にチケ取った素人を最前のしかも関係者の合間に配置されるとすげぇ場違い感でイタタマレないんですけども…や、そりゃ出演者さんを間近に感じられる点でありがたくもありますが。
・↑の間近さに関連してはストーリー上に数回出てくる、溝呂木賢さん演じるメインキャラクターの1人が全っ力で電話の相手方に謝りまくるシーンとか、ほんの1mかそこらの距離で渾身の力で叫びながら頭下げる姿を目にすると物語とわかっていても全身が固まるというか緊張感がハンパないといいますか。
・誰すかあの○ータン形式の場面考えたの。ナイスアイデアじゃないか。
という具合で、物語世界にああここから引き込まれていくなぁという感覚がグングン味わえてくる瞬間が心地いい作品でした。観れてよかったです。