娘。コンサートツアー八王子昼

娘。を好きになったのは矢口さんがきっかけだった。娘。のことを語る時の矢口さんの嬉しそうな表情が大好きだった。メンバーと笑いあうその姿をずっと見ていたかった。曲中に広がる歌声をこれからも聴けると思っていた。いつか娘。という集団を去る日が来るとしても、卒業という儀式を経てメンバーやファンの祝福の中で見送られていくものだと信じていた。何の前触れもなく彼女が娘。でなくなったと知った時感じた欠落感はこの先ずっと埋まることは無いと思う。芸能界自体を辞めるというのではないのが唯一の救いだけれど、卒業が決まってから残されたメンバーに自らの学んできた事柄を伝えていく、その過程が全くなく、大切にしていた場所から立ち去るに至ったその心情はいくら想像の限りを尽くしても及ぶものじゃないから、余計に寂しい。
でも、今回のステージを見て、吉澤さんの堂々とした姿に圧倒された。突如渡されたリーダーというバトンの重さをしっかり受け止め、メンバーを率いて会場を埋めたファンに語りかける口調は今はもう側にいない仲間への想いと、これからの娘。としての活動を続けるにあたっての決意に満ちていた。矢口さんの選択、決意を「やぐっつぁんらしい」と話す吉澤さんの強い眼差しと、その横で唇をかみ締めながらも頷くメンバー。その姿を見ていたらもう何も言えないと思った。
ってもうねぇ、彼女達すごいっすよ。あなた達どんだけ強いんだ。相当な衝撃受けてるだろうに微塵もそれを感じさせないでエンタメ性に満ちたステージ作り上げてみせるっていうのは何なんだろう、どんなキツイことがあってもそいつを飲み込んでパワーに変えてみせる、そんな底力を見せ付けられたコンサートだった。これから先、モーニング娘。という存在そのものを見続けていきたいと思った。
とりあえず、あとは箇条書きで印象に残った部分を。
・どんどん力強さに加えて多様性増してる新垣さんの歌声
・強靭さとセンスに磨きのかかってる田中さんの歌唱
・シャウトやラップでは迫力を感じさせつつソロパートでキュートさも出してみせる小川さんの声
・MCでの吉澤さんと藤本さんによる石川さんイジり(突如石川さんに「言いたいことがある」と言い出した吉澤リーダー。同期からの急な告発に焦る石川さん。石川「打合せにないよ!」吉澤「(元々)打合せなんかしてない」そしてフリの時に脇を締めてるのがおかしい、という指摘に凹む石川さん。吉澤「5年間ずっと思ってた」藤本「もっと早く指摘してあげようよ!」←以上相当ウロ覚えです)
・上のMCでは道重さんや小川さんも吉澤さんからいきなりネタ振られて少々ウロたえてた。でもそんなメンバーの素の姿も面白い。こういうアドリブ的MCっていいっすね。
・歌において矢口さんのポジションを継いでいくのは田中さん、亀井さんの2人なのかな、と漠然と感じた。特に亀井さん。
10人の娘。達は力出しきっていいステージ見せてくれた。ただその姿が輝いていればいる程、余計切なくなるのも事実で。あーもー!これからも娘。のことはずっと見続けていきたい。矢口さんのソロ活動も応援したい。でも両者が共にステージに立ち、1体の仲間としてパフォーマンスを見せる、一回でいいからその機会を与えてほしい。今すぐじゃなくていいから、いつか。