先日

千秋楽を迎えた『ヘンリー六世』について、赤川次郎さんが朝日新聞夕刊に連載しているコラム『劇場に行こう!』で取り上げてらしてしかもソニンに関する記述も結構あったのでいちぶ抜書き。ちなみに第一部の感想です。

ともかく、次から次へ、ページをめくる度に別の場面という感じの展開で、人物造型は分かりやすく、シェークスピアらしい長ゼリフもない。いかにも「若書き」の筆の勢いが感じられて、退屈しない。
主人公はイングランド軍の勇将トールボットで、政治家たちの権力争いや駆け引きに背を向けて、ひたすら戦場を駆け巡る、古風な日本の武士のような英雄像を、木場勝巳が大奮闘で演じている。
これと相対するのがフランス軍のジャンヌ・ダルクだが、フランスにとっては「救国の乙女」も、イングランドから見れば憎っくき敵で、ここでは魔物にとりつかれた少女として火刑にされる。
このジャンヌを、ソニンがまことにみずみずしく活き活きと演じて、広い舞台に負けていない。木場勝巳と堂々と渡り合うのは立派である。いい女優になってほしいものだ。
それにしても、イギリス人のシェークスピアが描くと、フランス人は皇太子シャルルを始め、みんないい加減でだらしなく、調子にのりやすい軽薄な人間になる。
イギリス人って本当にフランス人と仲が悪いんだな、とおかしくなるほどだ。
「ヘンリー六世」の中では、やはりジャンヌ・ダルクの描かれ方に一番違和感が残る。シェークスピアの時代とは違って、私たちはジャン・アヌイの「ひばり」や、あの不滅の映画、カール・ドライエルの「裁かるるジャンヌ」を知っているのだから

やー、オペラや舞台に造詣が深くて自らの小説にもしばしば題材にしたりしてて、更に個人的によく読んでた赤川次郎さんがこうしてソニンの出演した舞台を観劇して更にその作品及び彼女の演技も評価してるってかなり嬉しいっすわー。それに“みずみずしく活き活きと”っていい言葉じゃないすか。何かほんと応援してる側からしてもやったぁ!というコラムでした。