『らん−2011 New Version!!−』 in 吉祥寺 前進座劇場(5/25)

観てきました。以下感想とか(ヘロヘロ記述申し訳&一応ネタばれ注意)
前進座劇場、駅からちょい距離あるけどまっすぐ進んだ道沿いにあったので迷わずにすんで助かった。
・再演ということで、昨年観た内容とどの位変化があるのかと思っていたら、より個々人の背景が掘り下げられ、感情移入しやすくなっていたように感じました。
・てかさー月影と三影(彦左)の関係性とかズルいよ〜ヤラれちゃうよー。影の軍団もより人間くさくなってたし、言わばショッカーの下っ端戦闘員にも家で待つ妻や子が、とか故郷の年老いた両親が、とかいうようなもんじゃないか〜(ちょと違うか)。
・物語が展開するきっかけとなった事件での被害者の妻2人の存在感も前公演時より強まっていた気がした。大切な存在を失ったためとも言えるのかもしれないけれども、村人達と対立してまで彼女達が最後まで自らの思うところを貫き、葛城に斬りかかるところまで追い詰めるその姿勢は恩人である赤谷の一同を裏切る村人達の、自らの大切なものを守ると称した遣り切れない行動の中において、(観る側にとって)ある意味大きな救いとなってるよなと思ったりしました。
・今回の再演を観て、お綾っていい女性じゃないかというのも改めて思った。恋敵とも言えるらんに対する姿勢も真っ当だし正太郎が赤谷の面々にした約束についても賛成してるし想い人正太郎と守ろうとする行動も真っ直ぐだし弥之助にもきちんと情を示してるし。
・そして“らん”。つくづく矢島さんならではの役柄、造形だよなぁ。仲間と話す時の明るさ・天然っぷり、戦いにおける凛々しさ、そして無理して笑う時の切ない強さ。魅力的で、とても悲しい。殺陣の激しさも増していて、ツアーと並立してこの舞台の稽古及び本番を成し遂げているというのはまったくもってすっげぇ〜としか言いようないっすわ。
・正太郎とらんの斬り合い、そして正太郎の想いの吐露とそれに対するらんの最期の言葉。正太郎の情の深さ・優しさ・それがゆえに大切にしたい人を傷つけ、守りたい場所を失ってもしまう遣り切れなさ。そういう正太郎に、出逢ってからずっと抱いていた想いを込めて、その大切なはじまりの出来事について明るい口調で切り置いて、仲間の元へ向かうらん。どうしてこうなってしまったのか、こうなるしかなかったのか。淋しくて胸が痛くなるのに、あそこでのあの笑顔に心は惹き付けられる。あの表情を出せるってのも矢島さんのすごさだなと。
ナズナハコベが皆の居る場所で夕日を眺めるシーン、今回の再演においても気持ち震わされる場面であると感じました。
という具合で、『らん』再演、見応えのある舞台でした。観ることができてよかったです。