『戦後65年を飛び越えて MOTHER マザー 〜特攻の母 鳥濱トメ物語〜』in 天王洲銀河劇場(5/29)

昨日はそんな(どんな?)↑マコラッチョが現在出演中の舞台の夜の回を観に行きました。
当然、小川さんの出演舞台ということで観劇を決めたんですけど、やー…。
単なるお涙じゃ絶対になくて、説教ぽさも皆無で、物語も重さに偏らず兵士達の明るさや人間味ある姿を描きだしていて、それだけに思ってた以上に人の想いが沁みて、また考えさせられる作品でした。
・小川さんは、Erinaさんが書いてらしたように“妹想いのお姉ちゃんを演じさせたら、右に出る人はいないんじゃないか”と思いました。
・大林素子さん、演技を観たのは初めてですが、ごく自然に演じてらして物語の世界を描き出してました。
篠崎愛さん可愛らしいっすね。語りも上手かったです。
戦後65年、私達の世代はまだ平和学習とかかなり時間を割いて行われていた筈だけど、今回の舞台で取り上げられてた“特攻の母”と呼ばれた鳥濱トメさんについてはその存在をチラッと聞いたことがある位で、戦争中は特攻隊員のよりどころとなっていた富屋食堂が戦後は進駐軍の指定食堂となり、米軍兵士の面倒を見ていたということを今回の舞台で初めて知りました。
特攻兵士と米軍兵士、どちらからも“特攻の母”“マミー”と親しまれたというトメさんという存在の心の大きさと共に、彼女を取り巻く世間の風の移り変わりが戦争というものの実質の一面を否応なく描き出していたように思えました。
日米双方の兵士が口にしていた台詞『戦争とは、ジジイが始めて、おっさんが命令して、若者が死んでいくもの』。
この舞台を観たことで、特攻隊の人達がどのような想いを抱えて出撃していたのか、そんな彼らをもてはやしていた世の中は戦後どのように一転した態度をとるようになったのか、国を超えて戦争というものが持つ側面を知ったと共に、まだまだ自分の知識は足りないと痛感もさせられた。
極端な美化でも風化でもなく、どのように彼らが生きたか、彼らを支える女性の行動を描き出すことで多くの心の動きを引き出す舞台だったと思います。観ることが出来てよかった。
マコラッチョをはじめとして応援してたり興味があったりする人が出ているからという理由で観にいって、結果として様々な心に残る作品世界に触れることが出来ているというのはありがたいことだなと改めて思いました。