劇団ゲキハロ第11回公演『戦国自衛隊 女性自衛官死守セヨ』in 大阪 シアターBRAVA!(10/2)

12時公演、15時半公演(千穐楽)行ってきました。以下感想的な(ヘロヘロ申し訳)
・ラスト1日、でも東京で観たときから更に変更あったりしておおーと。絶姫と平八郎の2人きりの場面がホントにチューしそうになってるー!
・「 タコ八郎ではない!」
・12時の回は3列目という個人的に破格の位置だったことから、演者の表情や視線、セリフや息遣いがより間近に感じられて圧倒されました。つぶらの瞳からこぼれ落ちる涙の粒、小宮の歌う前に拍子を取るブーツの足元、若月の気付かなかった真実に触れての瞬き等々、その演じる感情や表現の繊細さ、威力に目が離せなかった。
・八十重がパワーアップ。クライマックスの戦闘シーンでの槍空中に投げ上げながら銃撃を交わし手に取った瞬間打ち掛かりにいく一連の流れとか見事過ぎる。すごい方だなぁ横山一敏さん。
・歌いながら、声を詰まらせるつぶらの場面…うわぁ〜もう。
・河合と上杉、抱き合う強さから仲間としての思いを感じさせられる。
・12時公演、メンバー挨拶は徳さんから。「本日はお足元のいい中〜」こうしたセリフがポンっと出てくるのがいいっすねぇ〜。
・15時の回は、本当に最後ということで演者の方が感情リミッターを徐々に外していってたように思った。上杉が絶姫を乱暴に扱った景虎をはたくシーンとかこの回は2階席だったのに会場奥まで射抜かれる勢いだったし、河合と対峙した八十重が自動小銃の連射を浴びてなおその武を讃え、共に戦場を駆けたかったと心を告げる場面からは両者の堪える感情が伝わってきたし、ほんの一瞬想い人と手をつなぎあった上杉がその後自らの居所を叫ぶところとか遠いのに涙が光る頬と込められた感情の強さが真っ向からむかってきたし、他にももう数え切れないほど。
・死守セヨについては、IFを考える暇もないほどストーリーが練られていると実感するけれども、思わぬところで生じた誤解を解こうと努力するも受け入れられなかった現実に対して顔をゆがめ若月と近藤に「泣き言を言うな!」と一喝、そして大将戦にて若月と一騎打ちしそして討たれる際の景虎の表情・哀切な眼差しや、河合と八十重や小宮と孫一・文吾との一連のやり取り等を思い返すと、もしも予定通り自衛隊と長尾が手を携えることが出来ていたら、若月と景虎が共に軍勢を指揮し河合と八十重が肩を並べて戦場を駆け敵に相対する、そんな光景を夢想してしまう、それほど魅力的な登場人物ばかりだったなと感じます。
千穐楽としての挨拶では、まずはいつも通り徳さんからベリキューメンバーの紹介が、そして死守組オールスターズが現れ挨拶して一旦はけてからのカーテンコールでは、サキッチがオトムギの皆さんはじめ演者さんの紹介を行っていました。
・続いて、大人メンバーがはけてからも続く拍手の中再度現れた6人から、一人ひとり今回の舞台についての挨拶が。
・徳さん、いきなり台本を渡されての漢字が読めなかった、演じていて言葉がつまらないか等不安だった(すごいウロ覚えスミマセン)など、そして明日からは徳永千奈美になります!と元気な言葉。でも今回の舞台、徳さんのパワーですごい輝いたし、河合2曹は徳さんがいたからこそ生まれた役だと思う(宛書だから他のメンバーのもみんなそうなんだけど)。彼女の場合、ご本人の感想とかから推し量るとして、ゲキハロBerryzとして出演する映画等以外においてその演技を観る機会はそうそう無さそうですが、ぜひ舞台で演じる姿を、更に個人的には前にも書いたとおり本格的に恋愛がからむ役を観てみたいとか思ったりしています。実現しないかな〜。
・舞ちゃん。まず、姫役をやるのが“ぶっちゃけすごく嬉しい”と笑顔にほっこり。お母さんにも「舞、姫役やるんだけど!」と報告したらしい。ただ、これまで演技する上で役作りというかしたことなくていつも自分自身を出していた、今回の舞台でからみが多かった(宮原)将護さんが“その時絶姫はどう思っていたか”ということを聞いてきて、最初はすごい不思議な方だと思っていたけど、役の気持ちを想像することがわかってきた、というようなことを話してました。そうか、確かにリリパット王国や銭湯の娘での役柄も本人そのものか近いキャラクターだったもんなぁ。でも今回の姫役でみせた演技、恋心の表現とかハマってたと思います。
佐紀ちゃん。この全員で死守組をやれたことを誇りに思う、と。
・嗣永さん。「小宮役の、そして天使・天女役の嗣永桃子です」そのぶれなさ、サスガだ。
・そんな嗣永さんですが、「(徳さんについて)不真面目に見えるじゃないですか、ま、実際不真面目なんですけど」と一旦落としておいて(そしてご本人から「覚えてろよ!」の合いの手あり)、でも「誰よりも早く台本真っ先に覚えちゃう」と、舞ちゃんの姫役も「最初は“何で舞ちゃん姫なのよ、姫ならももでしょ”と」思ったけど絶姫は舞ちゃんだと思った、とか、キャプテンについては「佐紀ちゃんの演技がすごい好きで〜」と思わぬストレートな賛辞に言われた本人が「ホント!?(驚喜)」と反応したり(ただし「特にビンタが、あ、でもビンタされたいとは思わないけど」とのオチあり)、岡井ちゃんに「演技の時、他のメンバーはちょっと寄りかかる感じが、千聖は本気で(思い切りだったかな?)寄りかかってきて、妹みたいで可愛いと思った」、愛理ちゃんに「同じBuono!で後から入ったということで、励まされた」という具合に各メンバー一人ひとりへコメントしてて、そこら辺普段プロフェッショナルさが前面出がちだけど冷静さ、客観性と共に“情”の人でもあるんだなと感じたり。
・岡井ちゃん、今回ケガのシーン多かったことから苦しい演技が難しい、と。「刺されたりとか普段しないから」と笑い起こしつつ、ここの挨拶で「塩田さんの台本(だったかな?)勇気が沸いて」「演技が好きだと思う」と。そして12月の『1974』についても触れてました。今回の舞台で、岡井ちゃんの感性好きだなーと改めて思ったと同時に、『1974』更に楽しみになりました。
・愛理ちゃん。他のメンバーが挨拶してる時から、すでに込み上げるものと戦う様子が垣間見える。℃-uteが塩田さんの作品に出ることが数年ぶりということで「すごく嬉しかった」と共に「大丈夫かな」「皆さん知ってますよね、滑舌が…」と口ごもる。でも座組に助けてもらって、と感謝やここで演技できたことの嬉しさを述べ、同じメンバーで舞台をする瞬間は2度とない(ここら辺ニュアンスなんで絶対違いますスイマセン)、すごいさみしいけど、貰ったものを活かせるように頑張りたい、というようなことを涙で言葉詰まらせつつ語ってました。うわ〜沁みるわ〜。
・そして、再度演者さん達が全員登場し、挨拶して、終演。
という具合で、今回も、充実し、心に響く時間を過ごさせてもらいました。心から素敵と思う舞台にめぐり合えたこと、それが自分が応援し普段は歌声やダンスといったパフォーマンスに魅せられているBerryz工房℃-uteの面々により演じられているということを本当に幸せに感じます。原作に敬意を持ち、時代や題材に対して真っすぐ向き合い理解しようとする感覚を絶やさないことが描かれる物語世界の説得力を生み出し、またベリキューメンバーをはじめとする演者に対する理解の深さや持ち味を活かし魅力を引き出そうとする誠実さ、優しさ、真摯さから生まれた『戦国自衛隊 女性自衛官死守セヨ』という作品。この物語に、若月・上杉・河合・小宮・つぶら・絶姫はじめとする登場人物に、彼らを演じた座組一同に、そしてこの舞台に携わられた方々に本当に感謝したいです。忘れられない舞台をありがとうございました。
追記:愛理ちゃんについては、ご本人ブログの記事からまた気持ちが相当伝わってきますね。彼女についてもまた大人の麦茶さんの作品に登場してる姿観れたらいいな。
追記2:サキッチについて。三億円ではレインボー主役のうちの1人。そこで、これぞ!という姿を見せてくれた要素が、明るく温かくしっかり者で、芯は強い依子という役柄。ただ、今回はあくまでも太陽のように明るいバカポジティブな隊員という姿でずっといくのかな、ストーリーテラーや物語の推進役もハマるからそういうのもいいかもというように捉えてた。
でもオープニングで、気持ちを寄せていた人への想いが叶う場面があって、もしかしたら、とその予感は当たってた。
楽しく、強く、優しく、人のため、自らの思うところを守るため信念を持って行動する上杉2士は、佐紀ちゃんの持ち味を活かしきった素晴らしい役柄だったと思う。
そして彼女の演技、感情の込め方、言葉の響かせ方、眼差しや表情の変化で伏線の進行を予感させる力、観るたびに惹き付けられました。
完全にファンとしての感じ方になってしまいますが、彼女が塩田さんの組でよかった。そう思っていたら、その塩田さんご本人のブログに、なんとこんな記述がありまして。

今回、1/2の確率でご一緒できたこと
とても有り難くおもいつつ宛書きをして
演出をさせてもらえて、しあわせです!
ちょうおバカな上杉、見届けてください
戦国自衛隊の季節5。ゆくぜ!東京千穐楽!! 2011/09/24(SAT) |塩田泰造のムギムギデイズ

なんかすごい、じーんときました。一ファンとしての勝手な感慨で恐縮ですが、すごいありがたく嬉しい言葉だなと。
彼女の演じる姿については、『Promise Land〜クローバーズの大冒険〜』や『サンクユー〜』でも感じてたけど、うわーと思ったのはなんといっても昨年の『三億円少女』でしたが、今年になってのその表現力の進化には瞠目させられるばかりです。コンサートはじめとするパフォーマンスも勿論、彼女の演じる姿もずっとこの先も観ていきたいと強く思います。