大人の麦茶第十八杯目公演 1974(イクナヨ) in 新宿 紀伊國屋サザンシアター(12/17)

11時半公演。3度目の、そして自分にとってはラストとなる鑑賞行ってきました。以下感想的な(ヘロヘロ申し訳&一応ネタばれ注意)
・初日はひたすら息をのみ、2度目は予測される展開にグッと気構え(それでもパァーッと広がって閃いてくる輝きや眩しさに鳥肌が立ち)、そして今回。もうこの世界に触れることは出来ない。今日の鑑賞が終われば、リツコにもツバサにもフジコにも会えない。
・つってもDVD注文したんすけどねー!昨日ー!だから一応は安心!(←?)でも、やっぱその場で味わう作品世界の空気ってのは相当に贅沢なもんで、だからこの日はとにかくそういう雰囲気や各登場人物が生み出す光や陰影、その眼差しや言葉に込められた感情をひたすら見つめました。
・唯一の身近な肉親である兄の秘密を知った衝撃で、一時的に声が出なくなってしまったフジコ。懸命に兄に語りかけ伝えようとのどを振り絞る彼女の仕草は観ているこちらまで息苦しくなる程の緊迫感だった。工藤遥さん、すごい人だ。ほんとに小学生?(三好さん風)
・幕開けすぐの岡井ちゃん演じるツバサとその兄ユキオ(南翔太さん)のエピソードとツバサの独白、そして続けて出てくるオープニング映像、この流れはどうにももうたまんないですよねと改めて。あとここでのBGMはその後もしばしば転換時に流れるんですがこの曲もたまらなくいい。BGM聴くためにもDVD待ち遠しい位。
・中さきちゃん演じるリツコのウッキウキドッキドキな妄想タ〜イム!とか楽しいっすよねーマジ。そんなリツコが、真実を知って、でもショックを受けながらも相手のことを思う強さ、でも忘れられない想い、そういう幾つもの感情を数々のシーンで魅せてくれて、ナッキーさんなんちゅー表現力の豊かさだーってのもホントかんじました。
・上記のシーンに関連して、リツコが真実に気づいていたことを知り、彼女とのやり取りをする際の岡井ちゃんの、ふっとした瞬間の“ツバサ”の切り替わり、ここんとこもすごいなと思った。
・ハロー関係以外では、並木秀介さん演じるオヤジの存在が大きかった。初っ端から一環してまさに劇中の言葉での“産業廃棄物”的なクソオヤジっぷりを発揮してくれる訳ですが、終盤でのユキオとのやり取り、真っ直ぐ見れるじゃねえか!って髪ワシャワシャって。あれ反則だよ!てかこの親父さんセリフの端々からすると超広義な意味合いでのツンデレ、てことになるのか?(ならないか)。
・この日観た回では終演後中神さんを司会としてトークショーも行われました。メンバーは中さきちゃん、岡井ちゃん、くどぅーさん、スケジュン役の和泉宗兵さん、リツコ母な古見夏子さん役の森実友紀さん、厳しいけど話せばわかる教師相原役の磯和武明さんの6人。ここでは塩田泰造さんのブログやパンフレットでも印象残ったくどぅーさんのエピソードがご本人の口から語られてて、改めてじんとした。9月にモーニング娘。に合格してすごく嬉しかった。でもこの舞台はほとんど完成してた。絶対出たいと思って、舞台出演について「大丈夫ですよね?」と確認した。。。そういうことを(※かなりウロ覚えです申し訳)はきはきとまっすぐに話すくどぅーさん。その様子と考え方・発言内容に大人、と評価する岡井ちゃん。
・和泉さんと森実さんは好きなシーンとして同じ箇所を挙げてました。それは前半での大きな見せ場、チラシにもふれられてたあの場面。岡井ちゃん、「アタシがやるから許されるシーンですよね」って確かにそうかもしれんけど!個人的には全然異性の役者さん相手に本格的恋愛劇とかバリバリやっちゃって欲しかったりもするんだけどなぁ。アイドルという立場での出演である限り、やはしムツカシイのですかのう。
・森実さん、劇中では青春について熱く語るもいざ娘が道を外しかねない方向に進みそうになると途端に狼狽してしまう愛すべきお母さん役ピッタリでしたが、こうしてトークショーとかでお話されてる姿見るとやっぱお若いっすね。また異なる役柄でもハローメンバーと共演される舞台拝見したいなと思いました。
・そうだ、トークの中にて延期になったことでくどぅーさんの身長が伸びて、岡井ちゃんから春にやってたころは抱き合っても頭の位置が少し下にあってカワイイなぁと思ってたけど今はほとんど同じというか抜かされてる…なんてネタも出たりして。確かに、並ぶとややくどぅーさん高い?成長期が羨ましい、という岡井ちゃん。やーでもねぇ、世の中には20歳超えても伸びる人もいるっていうし!
トークショー終了のお時間になり、じゃあ2人で締めて、と言われて「“よーぉ!”で?」と一本締め的なことやろうとする中さきちゃんに「千秋楽じゃないんだから!」とツッこむ岡井ちゃん。場内笑いに包まれてました。
・そんなこんなで色々エピソード語られたトークショー、先ほどまで異なる空間をステージ上に創り上げていた面々がそのキャラクターの衣装のままでいつものその人に戻って作品について語るってやはし興趣深いもんがありますやね。
ということで、計三回観たこちらの舞台。自分が見た2度目と3度目の公演では冒頭からまもなくセリフが入ってくることから幕開けでの拍手は無くなって、それはそれで物語を味わおうという客席の共通認識感じていいと思ったんですが、初日のあの場内が暗くなって自然に起こった拍手は本当にこの作品の上演が待ち望まれていたんだなということを感じさせられてジワッときたりもしたんでした。大人の麦茶という、ゲキハロを皮切りに幾つかの作品を拝見しその度にその感情の大小はあれどいいな、と感じる気持ちを覚える劇団さん(それは物語や登場人物に対する気持ちや誠意の込め方、出演者をまっすぐその持ち合わせる個性魅力を活かしてということも含まれる)、そうした劇団さんの本公演という場にハローのメンバーが出演し、しかもその演じる役柄は彼女達に合わせて宛書きされたもの、彼女たちに限らず登場する人びとに気持ちのこもったまなざしで描かれた、そういう機会が彼女たちに与えられたこと、その作品をこの目で耳で鑑賞し物語世界を味わえたこと、空気を共有する一員になれたこと、つくづく幸せな鑑賞機会だったと思います。改めて、胸に響き心に残る時間を、本当にどうもありがとうございました。
追記:繰り返しになりますが、ゲキハロやハロー出演の作品で異性相手の本格的な恋心描くのってのはどうしても難しいのかな〜。それ考えると三億円少女や死守セヨのキャプテンや舞ちゃんは相当大胆な試みだったんだろうか。でも可能なら今後も様々にチャレンジして欲しいっすわ。