昨日買った本

大学の終わり頃、就職活動に向けての準備としてこれまでテレビ欄と社会面くらいしか眺めていなかった新聞を意識して読み通すようにしてた時期、各国の情勢を伝える特派員のコラムの中に、何だかやたら読みやすい記事を書く記者さんがいて気になっていた。現地の人達の輪に溶け込み、日常の様子を記す中にその土地の特色や起こっている出来事をさりげなく伝えるその方の名前をいつの間にか覚えてしまい、署名記事を見つけると自然と読むようになった。初めて知った頃はフィリピンのマニラ、その後ローマを中心としたイタリア周辺を取り上げる文章を見かけていたけれど、ここしばらく紙面にその名が出ていなくてどうしているんだろう、と首を傾げていたところ、いつの間にか本を出しておられた事を出版から2ヵ月後にようやく知りました。

バチカン―ローマ法王庁は、いま (岩波新書)

バチカン―ローマ法王庁は、いま (岩波新書)

記事を読む時にも感じた入りやすさというか、親しみやすさと言いましょうか、周囲の人々と会話し、その地の事を知り、そこに住む人達の言葉を伝える。根底にある真摯な視線とユーモアを忘れない姿勢とが文章を通して伝わってくるような本です。何かもったいなくて一気に読めない(や、普通にこの方面詳しくないからってのもあるんだけど)。せっかくなんで冬休み中ちょっとずつ読み進めていこうと思います。
それにしてもこの郷富佐子さんといい斎藤美奈子さんといい岩波新書はいいツボついてきますね。